寄与分とは

  • 公開日:2024年05月09日

相続人の中には、被相続人の財産形成に貢献したり、被相続人の療養看護に努めたりするなど被相続人に対して貢献をしてきた相続人がいる場合があります。遺産分割協議や遺留分の算定などの場面で、被相続人に貢献してきた相続人に上乗せされる相続分のことを寄与分といいます。生前被相続人の財産形成や看護などを行ってきた相続人と他の相続人との公平さを図るため、相続分を修正する目的で寄与分が定められています。

寄与行為には、被相続人の事業に関する労務の提供をした場合の家事従事型、被相続人の事業に関して財産上の給付をした場合の金銭等出資型、病気療養中の被相続人の療養看護に従事した場合の療養看護型、被相続人の生活費を出すなどして被相続人を扶養した場合の扶養型、被相続人の賃貸不動産の管理など被相続人の財産を管理した場合の財産管理型があります。寄与分がある場合の相続分の計算は、相続財産からあらかじめ寄与分額を控除し、控除した相続財産を法定相続分で計算します。遺産分割調停・審判において、寄与分を主張する場合には、別途、寄与分を定める調停・審判を申し立てる必要があります。