相続人申告登記とはどのような制度でしょうか

令和６年４月１日から相続登記の申請が義務化されます。相続によって不動産を取得した相続人は、所有権を取得したことを知った日から（遺産分割協議による場合は、遺産分割が成立した日から）３年以内に、相続登記の申請を行う必要があります。相続人間で紛争が生じている等の理由によって、早期に遺産分割を行うことが困難な事情がある場合には、「相続人申告登記」という制度を利用することが考えられます。相続人申告登記とは、①被相続人について相続が開始した旨と、②自らがその相続人である旨を、相続開始から３年以内に登記官に対して申し出ることで、相続登記の申請義務を履行したものとみなされる制度となります。この申出は、相続人が複数いる場合においても、特定の相続人が単独で行うことができます。相続による所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請を行うことが困難な相続人については、相続人申告登記を行うことにより、過料による制裁を回避することができます。