相続統一主義と相続分割主義の違いについて教えてください

  • 公開日:2024年05月10日

日本や韓国、ドイツ、イタリア、スペイン、ポーランド、ハンガリー、ギリシャ、スウェーデンなどにおいては、相続財産が動産であるか不動産であるかに関わらず、被相続人の本国法や住所地法が相続における準拠法とされます。相続に関する法律関係を被相続人の属人法(本国法や住所地法)によって一体的に処理するものを相続統一主義と言います。

これに対して、アメリカなどの英米法圏においては、不動産相続と動産相続とを区別する相続分割主義が採用されています。フランス、ベルギー、ルクセンブルク、中国なども相続分割主義をとっています。相続分割主義の法制のもとにおいては、例えば、不動産については不動産の所在地の法律を適用し、動産や流動資産については、被相続人の住所地法を相続の準拠法とするなどとされており、財産の種類によって適用法が異なることになります。よって、仮に被相続人が日本国籍を有しており、相続の手続きにおいて日本法が適用される場合であるとしても、被相続人の不動産が相続分割主義を採用する外国に所在していれば、不動産の相続についてはその不動産所在地の外国法が適用されます。相続財産が動産や流動資産であっても、被相続人が海外に居住していた場合には、動産や流動資産の相続について、被相続人の住所地法である外国法が適用される可能性があります。