受託者通知とはどのような通知でしょうか
Living Trust(生存信託)の設定者が死亡した場合、受託者は、米国遺言検認法に基づき、本来の相続人に対して、故人の財産に対して信託が設定されていること、信託設定日、承継受託者の氏名・住所・電話番号、信託の管理地、信託に関する資料を閲覧できることを通知する義務があります(「受託者通知」と言います)。
受託者通知を受け取った法定相続人は、通知書の受領日から120日以内であれば信託契約についての異議を述べることができます。信託財産の受託者から受託者通知を受領した相続人が120日の期間内に異議を述べなかった場合は、信託契約の内容は確定し、受託者は信託契約書の内容に従い信託財産の処分や分配を行うことができることになります。
このように受託者通知は法律上の義務ですので、日本の居住者が法定相続人に該当する場合は、アメリカの信託財産の受託者から突然信託契約に関する通知書が送られてくることがありますが、信託契約書の内容について特に異議がある場合を除き、そのまま放置しておいても問題ありません。反対に信託契約の内容について異議がある場合は120日の待機期間内に受託者に対して異議を述べる必要があります。