ジョイントテナンシー(Joint Tenancy)とは

ジョイントテナンシーは合有状態にある不動産の所有形態を言います。Tenancy by the Entirety with the Right of Survivorshipとも言われます。夫婦でコンドミニアムを所有する場合などにジョイントテナンシーの方法が用いられます。この場合、夫婦の一方が死亡した場合、死亡した者の財産は何らの法的手続きを経ずに残された配偶者の所有になります。残された配偶者の権利が、何らの手続きなしに自動的に50%から100%に増えることになります。ニューヨーク州にジョイントテナンシーの権利を有していてもプロベイト手続きの対象とはなりません。

なお、被相続人が日本人の場合、相続人は無制限納税義務者となりますので、アメリカにある財産についても日本の相続税が課せられることになります。ジョイントテナンシーの法的性質については、日本の民法に規定のある共有ではなく、特殊な所有形態である合有であると考えられますが、相続税との関係では、ジョイントテナンシーは死因贈与や遺贈とみなされ、死亡した者から他の合有者(通常の場合配偶者)に対して死亡によって権利が移転したものとみなされます。被相続人の持ち分については、被相続人の死亡と同時に、残された合有者(配偶者)に対して被相続人の持ち分が移転したものとみなされ、日本の相続税や贈与税の対象となります。