遺言の方式の準拠法について教えてください
日本における相続では、国際相続の場合においてどの国の法律で遺言の有効性を判断するかということについて、遺言の方式の準拠法に関する法律が定めています。そして、法第2条は、遺言者が国籍を有していた国の法のみならず、行為地法、住所地法、不動産の所在地法などの方式に従った遺言であっても有効であるとしています。ただし、外国法に従った遺言が有効であるとしても、その遺言のみによって、法務局での被相続人の不動産登記の変更や銀行預金口座の解約が認めてもらえるとは限りません。
この場合には、日本の弁護士によって作成された遺言の有効性に関する現地法に基づく意見書の提出が求められることが多くあります。また、外国法による遺言書が現地の公証を得たものではない場合には、家庭裁判所での検認手続きを得ることを求められることもあります。そのため、日本での遺言の執行を想定しているのであれば、日本の方式で遺言書を作成しておくことで遺言書の執行が容易になるということはあります。