Revocable Living Trustの受託者通知への対応をアドバイスしたケース
相談状況
被相続人Xはもともと日本国籍でしたがアメリカに移住して現地の女性と結婚したことからアメリカ国籍を取得しました。
Xにはお子様はおらず、奥様にも先立たれました。Xは、Revocable Living Trustを設定し、カリフォルニア州に所有している自宅をトラストの対象に組み入れました。Xが亡くなり、トラストの承継受託者から日本の相続人(Xの兄弟)に対して受託者通知が送られてきました。
Xの相続人は、受託者通知への対応方法について相談するため、栗林総合法律事務所を訪ねてこられました。
解決方法
承継受託者から送られてきたRevocable Living Trustの内容を確認したところ、Xが所有する全ての財産がトラストを構成し、Xが死亡した後は、現地に居住するXの友人が受益者となる旨が記載されていました。
Trust Agreementは公証人の面前で作成されていますので、Xの意思能力の欠如などを理由にTrust Agreementの効力を争うことは難しいと思われます。
また、Xはアメリカ国籍を取得していますので、本国法はアメリカの法律となります。
従って、日本における相続人が遺留分を主張することも難しいのではないかとの結論になりました。
そこで、Xの兄弟としては、承継受託者(カリフォルニア州の弁護士)から送られてきた受託者通知に対しては何らの対応を行わないという判断になりました。