ニューヨーク州のマンションについてプロベイト手続きを行ったケース

  • 公開日:2024年05月09日

相談状況

依頼者(日本国籍の女性)のご主人は、日本に居住する50代の男性(日本国籍)ですが、突然心筋梗塞でお亡くなりになりました。ご主人は以前勤務していた会社からの出向により10年ほどニューヨーク州に住んでいたことがあり、その関係でニューヨーク州のマンションと、ニューヨーク州の郊外にある不動産(山林)を所有していました。依頼者(故人の奥様)は、日本にある財産については、自分と子供たちで相続する内容の遺産分割協議書を作成し、無事に遺産相続を完了させることができましたが、ニューヨーク州のマンションについては相続人である奥様への名義変更ができておりません。また、ニューヨーク州の郊外にある山林については、価値も高くなく、反対に毎年固定資産税が生じるので、相続放棄をしたいと考えていました。そこでニューヨーク州の不動産の遺産相続と、ニューヨーク州の郊外にある山林の所有権放棄を行う方法について相談するために、栗林総合法律事務所を訪ねてこられました。

解決方法

栗林総合法律事務所では、日本人の遺産相続手続きを担当してくれるニューヨーク州の法律事務所と連絡をとり、プロベイト手続きを行ってもらうことにしました。ニューヨーク州では申立人である弁護士が自ら相続財産管理人になることができます。本件ではお亡くなりになられた方(被相続人)に遺言書がありませんでしたので、ニューヨーク州のSurrogate Courtに申し立てることで、Letter of Administrationの発行を頂くことができました。その結果、ニューヨーク州の弁護士が財産管理人に選任となり、ニューヨーク州のマンションについては、奥様名義に変更することができました。また、ニューヨーク州では、相続した不動産についての相続放棄の手続きがありませんでしたので、ニューヨーク州の山林については、隣地を所有するアメリカ人に無償で贈与することとしました。隣地の所有者との協議・交渉や、不動産名義変更の手続きについても、アメリカの弁護士(相続財産の管理人)に行ってもらっています。栗林総合法律事務所では、アメリカの財産管理人と連絡を取りながら、依頼者の希望する手続きが確実に実行されるようアメリカの相続手続きをサポートしていきました。アメリカの不動産を相続した日本人から、アメリカにおける固定資産税の支払いを避けるため、不動産についての相続放棄をしたいとの依頼があることが多くありますが、アメリカでは相続放棄の手続きがありませんので、第三者に対する贈与又は譲渡の手続きをとることが一般的です。

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